飢饉、自然災害、疫病や大小の戦乱に繰り返し見舞われた鎌倉時代。しんらんさまご自身は、念仏弾圧で死罪につぐ重罪である流罪を経験されながらも90歳の天寿をまっとうされています。
人生50年が標準だったとすれば、これは驚異的な長命ということになりますが、しんらんさまのお師匠様である法然上人は79歳、浄土真宗中興の祖といわれる蓮如上人は84歳といずれも長生きでした。
医療技術もなく衛生状態も悪かったであろう時代の、大地震や飢饉、疫病に苛まれながらの長寿ですから、とても今の尺度で測ることはできません。なぜ、それが可能だったのか。しんらんさまは、はっきりとこうおっしゃっています。
阿弥陀如来来化して
息災延命のためにとて
「金光明」の「寿量品」
ときおきたまへるみのりなり
平たく言えば、仏法を聞きましょう。そうすれば長生きできますよということだと思います。しかし、わたしが注目しているのは、そこではありません。「親鸞は弟子一人ももたずさふらふ」「御同朋、御同行」という肉声や、肉食妻帯の実践に象徴される、むしろ、しんらんさまの生き方そのものです。つづきはまた明日。