「感染症の後には地震が来る」。そんな話を小耳にはさんだ直後だったので、今朝の宮城県沖地震の速報にはドキッとさせられました。そうでなくてもコロナ騒動等で国民の3割が強い不安を、8割が漠然とした不安を抱えているといわれる中、大震災の爪痕がまだまだ残る東北の皆さんは、心中いかばかりかとお察しします。
連休明け頃にもなれば、沖縄から順次、梅雨の季節を迎えます。緊急事態宣言は延長されるかもしれませんが、少なくとも平成に入って以降、毎年、列島のどこかが梅雨前線や台風の被害を受けてきた流れから、今年だけ免れるとは考えにくいかもしれません。仮にまた今年も、体育館等、避難所への避難を余儀なくされるようなことがあれば、そこからクラスター感染につながることは想像に難くないでしょう。
街へ出れば、子どもの頃から親しんだデパートがこんなありさまで、これが期間限定の臨時休業ではなく、正真正銘の廃業になってしまったらどうだろうと想像せずにはいられませんでした。
「サピエンス全史」で知られるユヴァル・ノア・ハラリ氏はいいます。「権力者たちは、情報を妨げることよりもデマやたわごとを垂れ流すことに熱心」だと。そして「(世界には)考える余裕さえない人が何十億もいる」と。今後の世界の展開から誰一人逃れることはできないというのに。
果てしない嵐の海を進むには、既存の世界観にしがみつくのではなく、生きている限り自己変革を繰り返すことだとハラリ氏は続けます。年齢がいくにつれ、急激な変化はわたしを含め誰にとっても非情なストレスですが、もはや「想定外」が日常的な今となっては、わたしたちの誰もが否応なしに、自己変革という名の進化を迫られているのかもしれません。わたしたちにできることは、ジタバタすることよりも、むしろ、思考すること、発信すること、つながることではないでしょうか。