検察庁法改正案の今国会での成立が見送られた件について、多くの国民が抗議の声をあげた成果だと思っていたら、そうとばかりも言えない展開になってきました。
黒川検事長賭けマージャンのスクープには、突っ込みどころが満載であるものの、それに付随して顕在化した黒川弘務という人物の人間性が、自民党憲法改正草案にみる前近代性、もっといえば、人命軽視の思想と、わたしには重なる気がしてなりません。
緊急事態宣言の最中に徹夜の賭けマージャンという事実は当然ですが、「このあいだ韓国に行って女を買ったんだけどさ」などという発言が検事である彼の口から飛び出すに至っては、嫌でも伊藤詩織さん事件を思い出さずにはいられなくなります。
この発言が事実であるかどうかは問題ではありません。同様に、伊藤詩織さん事件に彼が関与したかどうかも問題ではないと思います。問題は、政権を含め検察の人命軽視思想の蔓延であり、一説には1000万ともいわれる国民の抗議の声への冒涜だと思います。