「被害」を受けた側が声をあげるのは容易なことではないと思います。ましてや相手が巨大な権力と結びついていたり、巨大な権力そのものだったとしたらどうでしょう。(コロナの)緊急事態宣言解除の延期を受けて延び延びになっていた裁判(森友事件をめぐる公文書改ざんで自死に追いやられた元近畿財務局、赤木俊夫さんの妻が、真相解明を求めて国と佐川元財務省理財局長を相手取った裁判)の初回期日がやっと決まったそうですね。
この間、赤木俊夫さんが「なぜ自死に追い込まれたのか。有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施して下さい!」というオンライン上の呼びかけに今現在、352,775人が賛同の署名をしています。しかし、オンライン署名ができないので紙の署名をさせてほしいという潜在的な賛同者はここにはカウントされていません。
わたしの暮らす高松市の人口に迫る勢いの35万超という数字は、もちろん単なる数字の羅列ではなく一人ひとり名前と顔を持つ生身の人の切なる思いの積み重ね。この35万署名がまもなく首相官邸に届けられるといいます。それを受けて官邸側がいったいどんな対応をするのか。来月15日にはじまる裁判に、はたして佐川元理財局長をはじめいまだに口をつぐんだままの関係者を引きずり出し、さらには証言させることができるのか。
目的は、あくまでも「真相の解明」です。この途方もない大仕事に対し、我々が「高みの見物」をきめこんでいいはずがないと思います。これは、原告だけの問題ではなく我々自身の問題なのだから、オンライン署名できた人もできなかった人も、まずは、官邸の対応を見届けましょう。仮にこの先、特ダネが続いて、各局がそればかり流したとしても、この裁判の行方だけは見失わないようカレンダーに印を付けるかリマインダーをセットしておくことをお勧めします。