丸山穂高議員に麻生太郎大臣と、政治家の失言といえば枚挙にいとまがありませんが、それとこれとは違うと思っています。「れいわの候補予定者が『命の選別』発言 山本代表釈明」と朝日新聞にも見出しが躍った大西つねきさんの件について。今から発言しようとしている自分の立ち位置をあらかじめ明らかにしておくと、私自身は特にれいわ新選組の支持者というわけではありません。ただ、山本太郎さんの真摯で純粋な情熱には、心打たれていてそこに一抹の希望を見出しているひとりに過ぎない者です。
そんな立場からいっても、確かに、大西つねきさんの「切り取られた1分32秒」だけを聞けば「まさか」とか「何でまた?」といった言葉で表現するのが一番近い感想でしょうか。というのは、引き合いに出して恐縮ではありますが、冒頭にお名前を出したお二人なら、普段の言動と失言の内容を照らし合わせ「さもありなん」で終わることも、大西つねきさんの場合は困窮した高校生に炊き出しを続けている人でもあり、そして何より排除の論理が広がる中で、だからこそ、一人でも多くの人を救いたいと叫び続ける山本太郎代表に共鳴するひとりだからです。
普遍的なテーマでありながら、まったく議論が尽くされていない問題について彼は提起したかっただけだと思います。なので、例のごとく話の断片 だけで決めつけるのは早計です。とはいえ増税に、コロナに、災害にとタイミングが悪すぎました。 「切り取られた1分32秒」の影響力、破壊力はあまりに大きい。そんな中、組織の存続を優先すれば、ただちに除名が正解かも知れないのに、山本代表はそうはしませんでした。 都知事選で燃え尽きて、本人いわく「真っ白な灰になるほど」疲れ果てているはずなのに。「命の選別」発言にまつわる一連の問題についてみんなでレクチャーを受け、一から掘り下げようとする姿勢。そして、都合の悪いことを隠そうともせず、真正面から受け止める姿勢を私は大いに評価し、れいわがこの難局をどう乗り切っていくのかを見守りたいです。