インターネットで速報が流れていました。今日の都内の新型コロナウィルスの感染者は、230人~240人程度になる見通しだと小池都知事が明らかにしたというのです。これにより東京都内だけで感染者累計が1万人を突破するのだとか。国内での感染者数が1万人を超えたと報じられたのは、今年4月18日のことでした。 うすうすはわかっていたものの、コロナ前の社会には二度と戻れないということが、これではっきりしたような気がしています。
それと同時に思い出したことがあります。それは、コロナが来るずっと以前から、世の中の変化に人々の意識がついていけていないと感じていたことです。目に見えてそう思うようになったのは、東日本大震災を経たあとで、本当はあのころには既に後戻りできなくなっていたのかもしれません。問題は、時代がかわってしまったというのに、その事実を真正面からみようとしない政治や財界が世の中を動かしていることで、最も深刻なのは、多くの人がそれを支持しているということ。
国民の多くが支持しているわけではありません。しかし、選挙に行く人の多くは「現状維持」を強く望んでいるようで、今月行われた東京都知事選挙はそのことを否定しがたいほど教えてくれました。これは、目前に迫っている危機を正しく認識しようとしない行為で、最近よくいわれる「正常性バイアス」に由来するものかもしれませんが、バイアスがかかっている人もそうでない人も一蓮托生ということで、さながら世界は「ノアの箱舟」の様相を呈してきた気がしています。