長い政権が終焉を迎えます。少し前までなら、「安倍首相、辞任の意向固める」と聞いたら、大喜びだったかもしれませんが、安倍晋三少年の成育歴を垣間みたいまとなっては複雑な心境です。それは、他でもないわたし自身が、今起きている現象面にとらわれて、歴史的、個人的背景を観察する視点を十分に持ち合わせていなかったことの裏返しだからでしょう。
しかし、だからといって、辞任と同時に、これまでの数々の疑惑が帳消しにされてしまったのでは、1945年~1949年までのアメリカとの取引で、彼の祖父を含む戦犯の多くが裁きを免れたばかりか、野に放たれて、戦後の日本に戦前の亡霊を継承したのと同じ繰り返しになってしまいます。いまだに世襲議員が権力を独占する構造のもと、この先、第二、第三の安倍晋三や小泉純一郎が現れるのは自明のことではないでしょうか。
連続の在任期間、歴代最長の、この空虚な総理大臣が教えてくれたことは、子ども(人)を支配しちゃいかんということ。一人ひとりが持って生まれたポテンシャルを摘み取るようなことをすると、究極的には国が亡びるということだった気がします。少なくとも、第2次安倍政権発足以降の2800日を超える時間に、亡国の道を邁進してしまった、その流れを変えるためには、今度こそ真摯に、今度こそ徹底的に過去を総括するしかないと思います。あの東京裁判を岸信介が逃れた結果「 日本が過去と真剣に向き合うのを避けることを許し、奨励すらすることになった(BBC)」のですから。日本人が前に進めないのは当然です。