ニュースのヘッドラインを見る限り、「ポスト安倍」で持ちきりの印象です。8年近くにも及んだ安倍政権を一言で振り返るならば、人の話を聞かない「問答無用」の政権だったと、どんなにひいき目にみてもそう見えてしまいます。「安保法制」「共謀罪」「働き方改革法案」「入管法」「カジノ法案」。これらの強行採決を前に、安倍総理自身は「わが党において、結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」といってはばかりません。
加えて、「モリ、カケ、サクラ」と私物化の疑惑は続き、体調悪化が理由とはいえ、コロナ禍をよそに、6月の通常国会閉会以降は国会を開かず、前法相夫妻の件についても口を閉ざしたまま逃げ切るつもりといわれても、これでは仕方がないでしょう。旧日本軍以来、総括も反省もしないことが常識になってしまっていて、それが国政だけに留まらないことは、わたし自身、経験的に知っています。しかし、今回もまた、わたしたちがそれを許してしまうとすれば、ポスト安倍が誰であろうと永遠に同じ繰り返しだと思うのです。
「 強行採決をしようと考えたことはない」 という、笑えない言葉が示すとおり、彼らに自覚はありません。彼らは、使命感を持って、よかれと思ってやってきたのでしょうし、全否定するつもりはありませんが、確実にいえることが一つあります。それは、「総括も反省もしないでは通用しない」ということで、コロナの時代が、それを許さないということ。同時に、お任せ政治が通用しないということです。「検察庁法改定反対」の声が高まり、強行を阻止したように、これからは、市民の参加なしには、国政も成り立たない時代がきていると思うのです。