RBG( ルース・ベイダー・ギンズバーグ )の訃報に衝撃を受けています。2本の映画が日本でも上映されているので、彼女のことを知る人は少なくないと思いますが、87歳にして、現役の米連邦最高裁判事。少し前まで両手にダンベルをかかげ、トレーニングに余念がなかった、リベラル派を代表する女性です。近年の米連邦最高裁は、保守派が5、リベラル派が4という構成で、 RBG の意見の多くは多数意見ではなかったものの、 民主主義や憲法を脅かすものに対して一歩も引かなかったといいます。
トランプ政権の極めて問題の多い行為の合憲性を巡り、 絶望しそうになるリベラルにとって大きな励ましとなり続けた人。 彼女の死去によって、保守派が5、リベラル派が3となり、次に誰が就くかによって今後の最高裁の構成に大きく影響するのだとか。全米の若者たちや世代を超えた女性たち同様、彼女の死に対し大きな喪失感 を覚えるわたしもその一人です。しかし、その一方で彼女は伝説になりました。永遠の命を手に入れたといってもいいと思います。異なる部位の3つのがんを患ってなお、人生のハンドルを手放さなかった RBG 。
そんな彼女の生きざまを多くの後進が目撃しています。 RBGの蒔いた種は、やがて大きく育っていくに違いありません。見事なまでの人生の完成だと思います。彼女の半生を振り返った映画「ビリーブ 未来への大逆転」で、最も印象に残る彼女のエピソード。それは、彼女の母親が亡くなる直前まで彼女と議論をしていたというものでした。「怒りやねたみ、恨みといった感情にとらわれてはいけません。そうした感情はエネルギーを奪い取って、時間を無駄にしてしまうから」。彼女の言葉を遺言として、わたしも心に刻もうと思います。