「子育て自己責任社会」の話をしたところへ「 生涯未婚率が年々上昇している…」ではじまるコラムが流れてきました。「生涯未婚率」って、50歳まで一度も結婚したことのない人の割合をいうのだそうですね。ちっとも知りませんでした。国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集2019年によると、男性が23.37%、女性が14.06%ですから、おおよそ4人に一人の男性は50歳になるまで一度も結婚できないし、おそらくはその後も独身が続くであろうことを物語っているというわけでしょうか。
その一方で、若い女性の自殺が急増しているとか。もちろん、その理由が子育てだけにあるとはいえないものの、子育てのインフラに乏しい女性が、産後のうつなどで命を落としているのもまた事実。そこに至るには至るだけの必然というものがあって「自殺」と出るか「虐待」と出るかは「縁起」しだいということなのかもしれません。うちの娘たちは、結婚祝いのご祝儀が出ていくばかりで回収できないとこぼしていたことがありました。結婚した友だちから、辛い話しか聞こえてこないとしたら、結婚に対するモチベーションが下がるのも無理からぬこと。
新型コロナのパンデミックは、人々の意識ばかりか産業構造まで更新しようとしています。正確には、コロナ以前から兆しがあったところへコロナが訪れたことによって、変化が加速されようとしているということで、人々の意識には結婚に対する意識も含まれているのではないでしょうか。友だちとこんな話をしていたら、「結婚なんて古い、古い」とあっさりいわれてしまいました。パートナーとの共同生活で出費を抑え、できる方ができるときに家事をやってお互いキャリアをギブアップしない。それが当たり前になりつつあるんですって。「子育て自己責任 」のリスクを一身に背負いこむより、娘を持つ母としてはその方がうんと安心です。