早いもので10月も残り二週間を切りました。11月になれば、大阪市を廃止して4つの特別区に分割する、いわゆる「大阪都構想」の住民投票や、アメリカ大統領選挙と、歴史的なイベントが待っています。「日本第2の都市である大阪が沈めば、日本全体が沈む」といわれるとおり、 政令指定都市、大阪市の廃止は、大阪だけの問題ではありませんから、 これらのイベントは、日本とアメリカの今後を決定づけるといってもいいと思います。
にもかかわらず、中身を知らない人ほど「都構想」に賛成し、大統領が嘘をつけばつくほど支持者が熱狂するのはどうしたことでしょう。それは、維新やトランプさんが、手っ取り早い言葉で、人々の溜飲を下げるのに成功しているからかもしれません。「 一つの民族、一つの国家、一人の総統(ナチス・ドイツ)」や「進め一億火の玉だ(大政翼賛会)」など、かつて魔力を持ったスローガン同様「大阪都構想」という幻想がもたらす刹那的な快楽に、大阪市民の半数が酔いしれているとしたら怖いことです。
大阪維新の言うことは 確かに わかりやすいかもしれません。しかし、残念ながら世の中は、そう単純ではないはず。本来、複雑で 多様でなものを、無理やり単純化し、わかりやすい言葉で片付けようとすれば、そこに対話の生まれる余地はなくなってしまいます。そういう意味で、わかりやすさとは、ときに暴力的で、その危うさを感覚的に察知する人も少なくないと信じたい。単なるイメージで判断したり、吉村知事のファンだからという理由で「都構想」に賛成したりすることのないように、期日前投票に行く大阪の皆さん、何度も言いますが、ほんまに頼んまっせ!