「強迫神経症」とか「強迫性障害」とか呼ばれる症状があります。 不合理な考えやイメージが頭に浮かんできて、わかっちゃいるけど止められない。電気を消し忘れたんじゃないか。玄関の鍵をかけ忘れたんじゃないか。ガスの元栓は大丈夫だろうかと何度も確認してしまう、アレです。
強迫神経症も程度もので、一回くらい確認するくらいならまだしも、過剰な確認行動で、何度も何度も戻ってきては確認しなけば気が済まないため、外出するのが億劫になったり、生活に支障をきたすこともあるとか。恥ずかしながら、私たち夫婦には、ここまでではないにしろ、多少、「この気」があります。
物の本に、こうした強迫観念を生み出す背景には「失敗を極度に恐れる人生観」があると書かれていました。明治の哲学者、清沢満之も失敗を恐れ、失敗してはならないと思って生きてきたが、それが「善も悪も、真も偽も、幸も不幸も一切分からない」といっています。つまり、正解なしが人生の正解。正解がないということは、失敗だって端からなかったのに、いったい何を怖がっていたんでしょうね。