「障害がある」と一口に言っても、その見え方や生活への影響は人それぞれです。
ある若者のケースをご紹介します。彼は、IQ50超えの軽度知的障害と診断され、療育手帳も交付されていましたが、特別支援学校には進まず、普通の学校生活を送りました。
高校卒業後は専門学校へと進学し、周囲のサポートを受けながらも何とか通い続けました。親御さんは、日常生活全般にわたって手助けをし、学校との連絡や身の回りのこともほとんど引き受けていたそうです。
このような中で、在学中に障害年金の申請を試みました。しかし結果は「不支給」。
「学校に通えているのだから」「若いからこれから改善する可能性もある」——そんな評価だったのかもしれません。
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卒業後、彼は障害者雇用枠で企業に就職することができました。仕事は、いわゆる「単純作業」。しかし実際には、決して簡単なことばかりではありませんでした。
上司の指示をうまく聞き取れず、言われたことと違うことをしてしまったり、次の行動に迷ってしまって固まってしまったり……。同僚のペースにもついていけず、焦りと混乱からミスを連発。何度もパニックになり、涙をこらえる日々が続きました。
職場ではそれなりの配慮がされていました。上司も、マニュアルを作ったり、指示を一つひとつ紙に書いて渡すなど、工夫を重ねてくれました。でも、本人の「しんどさ」は募るばかり。次第に職場でも孤立するようになっていったのです。
やがて、朝起きることもつらくなり、出勤できない日が増え、最終的には退職。
その後、改めて障害年金を申請したところ、今度は何と、あっさり2級での支給が認められまたのでした。
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この話が教えてくれるのは、「見えにくい困難」への理解の大切さです。
IQや診断名だけでは、その人が社会でどのように生きていけるかはわかりません。学校生活をなんとか乗り切っても、社会に出ると全く違うハードルに直面することがあります。特に、「普通の人が普通にできる」と思われていることが、彼にとっては「毎回、全力で壁をよじ登るようなこと」だったのです。
そして何よりも、このケースが示すのは、「現実の生活や就労の困難さ」が障害年金の判断に強く影響するということ。つまり、「学校に行けていたか」や「診断名の重さ」よりも、「実際にどれだけの支援を要しているか」「社会生活にどれだけ困難があるか」が鍵になります。
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このような実例を知ることで、「障害年金なんて…」と感じているご家庭や、「もっと重度でなければ無理だ」と思い込んでいる方々にも、一つの気づきのきっかけを届けられたらと思います。
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