〜「今は困っていない」からこそ、知っておいてほしい制度の話〜
【障害年金】よくある“すれ違い
障害年金のご相談で、ご本人とご家族のどちらかが「年金は受け取らなくてもいいのでは」と消極的なご意見をお持ちになることがあります。
実は、こうした“意見のすれ違い”には、それぞれに背景があります。この記事では、実際の相談現場での経験をもとに、ご本人・ご家族の立場から考えておきたいポイントをまとめてみました。
【ケース1】ご本人にその気がないとき──「困っていないから、障害じゃない」
これは私が実際に経験したケースです。
ある日、高齢の親御さんが「引きこもりの子どもを何とか助けたい」と、切実な想いで相談に来られました。ところが、当のお子さんは「自分は困っていないし、障害だとも思っていない」と、年金受給にまったく関心がない様子。
親御さんが生活全般を支えているため、ご本人には不自由がなく、現状に不満もない。だからこそ「障害であることを認めたくない」という気持ちが根深く、申請にはつながらないのです。
このような場合、私たちは無理に手続きを進めることはしません。ただ、制度の内容や選択肢を知っていただき、「いつか必要になったときに思い出してもらえたら」とお話しさせていただいています。
【ケース2】ご家族が消極的なとき──「まだ困っていないから必要ない?」
逆に、ご本人は前向きでも、ご家族が「生活には困っていないから」と申請に後ろ向きなこともあります。
そんなとき、私は少し視点を変えて、こうお伝えしています。
もし、ある日ご主人が障害を負い、働けなくなったとしたら…。経済的には奥さまの収入で賄えるかもしれません。でも、ご本人の中には「自分が何もできていない」という罪悪感や、家族に対する“申し訳なさ”が静かに積もっていきます。
病院代や薬代を奥さまにお願いするたびに感じる後ろめたさ。その気持ちは、想像以上に本人の心に影響を与えるものです。
【障害年金がもたらす心の支え】
障害年金を受給すると、2ヶ月に1度、本人の口座にお金が振り込まれます。そのお金で通院し、薬を買い、自分でやりくりができるという感覚は、経済的な安心だけでなく「自分にもできることがある」という自信にもつながります。
そして、たまには病院の帰りに「今日は美術館に立ち寄ろうかな」と思ったり、「家族にお土産を買って帰ろう」と自然と心が動いたり──そんな“普通の感情”が湧き出てくること。それこそが、障害年金がもたらす心のゆとりでではないかと感じています。
【まとめ】まずは“知っておく”ことが大切
「今は困っていないから必要ない」と思う気持ちは、よくわかります。でも、将来どんな状況になるかは誰にもわかりません。
障害年金は、本人の生活だけでなく、ご家族の心の負担を軽くする力も持っています。だからこそ、すぐに申請しないとしても、「こういう制度がある」「使えるときがくるかもしれない」という前提を持っておくことは、人生の安心材料になります。
迷ったときは、ひとりで抱え込まず、ぜひ専門家にご相談ください。制度を正しく理解することが、きっと次の選択につながりますよ。
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