厚生労働省は「令和4年障害年金受給者実態調査」のデータによって障害年金を受給している方々の働き方の実情を公表しています。今回は、障害基礎年金と障害厚生年金に分けて、それぞれの就労の実態とそこから見えてくる課題について整理してみましょう。
障害基礎年金とは?
障害基礎年金は、20歳前から障害のある方や国民年金に加入中に障害を負った方が対象となる年金です。障害等級は1級または2級のみです。
障害厚生年金とは?
障害厚生年金は、会社員や公務員など厚生年金加入中に障害を負った方が対象です。障害等級は1級から3級まであり、就労していても3級であれば受給できることがあります。
障害年金受給者の就労実態(令和4年調査)
【全体の就労率】
- 全体では**約30.9%**が「収入を伴う仕事をしている」と回答
- 残る約70%は無職、もしくは就労困難な状況
【障害基礎年金受給者の就労状況】
- 就労している人の割合はわずか13.4%
- 特に20歳前障害による受給者では就労率は10%未満
- 就労している人の多くは短時間労働や就労支援事業所等での就労
- 常勤雇用(正社員など)は非常に少ない
👉 背景:発達障害や知的障害、精神障害などが主な対象であり、就労支援や職場環境の整備が不十分であることが就労率の低さにつながっています。
【障害厚生年金受給者の就労状況】
- 就労している人の割合は47.5%
- 特に3級受給者では約7割が就労中
- 就労している人の約6割は常勤の会社員や公務員
👉 背景:障害を負った時点で既に就労していた人が多く、障害を抱えながらも働き続けられる体制が整っている場合が多い。特に身体障害の場合、職場の合理的配慮によって継続就労が可能なケースも。
なぜこれほどの差があるのか?
| 比較項目 | 障害基礎年金 | 障害厚生年金 |
|---|---|---|
| 就労率 | 約13% | 約47% |
| 常勤率 | 非常に低い | 約6割が常勤 |
| 就労支援の活用 | 就労継続支援事業所が中心 | 一般雇用が中心 |
| 年金の目的 | 生活保障 | 収入補填・在職支援 |
データから見えてくること
このデータから見えてくるのは、「働きたいけど働けない」現実が障害基礎年金(障害等級1級または2級に該当)の受給者に重くのしかかっているということです。本人の能力だけではなく、社会的な支援・制度・職場理解の不足が、就労の壁となっていると考えられます。
一方、障害厚生年金の受給者(障害等級1級から3級に該当)は比較的職場環境に恵まれているケースが多く、就労を継続している割合が高いことがわかります。
まとめ:支援の分岐点を見極めよう
障害年金は「働けない人を支える制度」であると同時に、「働きながら受給する」ことも可能な制度です。ですが、制度の中にある受給者の属性によって就労機会の格差があるという現実に、私たちはもっと目を向けなければいけません。
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