障害年金を考える患者さんにとって、診断書は生命線ともいえる大切な書類です。
ところが、診断書をお願いする場面で、主治医から何気なく発せられた一言が、患者さんを強く不安にさせてしまうことがあります。
たとえば、次のようなケースです。
- 「あなたの場合は、年金は難しいんじゃないかな」
- 「うちではあまり書かないんだよね」
- 「年金は働けなくなった人のものだから」
主治医にとっては軽い一言でも、患者さんにとっては大きな意味を持ちます。障害年金は生活の支えであり、その道が閉ざされるかもしれないと感じるからです。
子どもの頃からの主治医だからこそ
特に、先天性の病気や発達障害などで子どもの頃からずっと診てもらってきた主治医に対しては、患者さんやご家族は深い信頼を寄せています。
「この先生に診てもらっているから安心」
「ずっと見てきてくれた先生だから、分かってくれるはず」
そう思ってきた矢先、20歳を迎えていざ診断書を書いてもらう段階で、否定的な言葉を耳にしたとしたら、衝撃はとても大きいものです。
信頼してきた分だけ、心が深く揺さぶられ、絶望感に近い思いを抱くことも少なくありません。
実際によくある不安の声
- 「先生に反対されたら申請できないのでは？」
- 「診断書を書いてもらえないのでは？」
- 「自分が年金を考えること自体、いけないことなのだろうか」
このような気持ちが一気に膨らみ、病状が悪化してしまうケースもあります。
対処方法
1. 医師の立場を理解する
医師は、年金制度の細かい要件までは必ずしも把握していません。
「難しいかもしれない」という言葉は、法律的な意味ではなく、医療現場の感覚として発せられている場合も多いのです。
2. 正しい情報を得る
障害年金の可否は、医師の意見だけで決まるものではなく、制度の基準に基づいて判断されます。
社労士や年金事務所で正しい情報を確認すると、安心感が得られます。
3. 診断書依頼の工夫
診断書を依頼するときは、
- 日常生活で困っている点を具体的に伝える
- 医師の記録と生活の実態を結びつけて説明する
といった工夫で、医師の理解を得やすくなります。
4. 専門家のサポートを得る
社労士など専門家を通して依頼することで、医師への説明がスムーズになり、患者さん自身の不安も軽くなります。
まとめ
特に長年診てもらってきた主治医の一言は、患者さんにとって大きな意味を持ちます。
しかし、障害年金の判断は「医師個人の意見」ではなく、国の制度の基準によって行われるものです。
大切なのは、主治医の言葉だけで申請をあきらめないこと。
正しい情報を知り、適切なサポートを得ることで、安心して手続きを進めることができます。
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