障害年金を申請する際には、障害認定日から3ヶ月以内の診断書がとても重要です。しかし、当時の診断書や資料が残っていないケースも少なくありません。そのような場合に大きな役割を果たすのが**カルテ(診療録)**です。
目次
なぜカルテが必要なのか
カルテには、受診日、症状の経過、検査結果、医師の所見などが記録されています。障害認定日当時の状態を裏づける証拠として、診断書の代わりや補強資料として用いることができます。
障害年金請求において、カルテは「過去の状態を証明する唯一の記録」となることもあり、申請の可否を左右するほど重要です。
カルテの保存期間について
- 医療法により、カルテは原則5年間保存することが義務づけられています。
- ただし、自治体によっては10年間保存を義務づけているところもあります。
- 小児や精神疾患など、長期の経過観察が必要なケースでは、実際にはさらに長く保存している病院もあります。
👉「古い記録はもう残っていないだろう」と思い込まずに、まずは病院に確認してみることが大切です。
電子カルテの扱い
近年は多くの病院で電子カルテが導入されています。
- 紙カルテと同様に、法的に保存義務があります。
- 電子データで残されているため、紙よりも長期間保存されている場合もあります。
- 複写方法は、紙に出力したものやCD-ROMなど電子媒体で交付されるケースもあります。
👉 電子カルテは「データが消えているのでは」と不安になる方もいますが、むしろ紙より確実に保存されている場合も多いです。
カルテの開示請求の基本
カルテの開示手続きは医療機関ごとに定められている方法や費用に従うのが原則です。多くの病院では申請書を記入し、手数料を支払う流れになっています。
それでも医療機関が消極的な場合には、次の法的根拠を示すことができます。
- 厚生労働省「診療情報の提供等に関する指針」
- 個人情報保護法(民間病院:第28条)
- 独立行政法人個人情報保護法(独法病院:第12条)
- 自治体病院の場合は自治体の条例
- 判例(東京地裁平成23年1月27日、福岡地裁平成23年12月20日)
開示請求の具体例
- 窓口に直接依頼する場合
「障害年金の申請に必要なので、カルテのコピーをいただきたいです。開示の手続きについて教えてください。」 - 書面で依頼する場合
開示請求書に「障害年金の申請のために必要」と明記し、身分証明書の写しを添付。代理人の場合は委任状も必要です。 - 開示を断られた場合
「厚労省の『診療情報の提供に関する指針』では、患者が診療記録の提供を求める権利が認められています。障害年金申請に不可欠ですので、開示をお願いいたします。」
と法的根拠を示して再度要請します。
患者さんがつまずきやすいポイント
- 「カルテは残っていないはず」と思い込む → 実際には5~10年は保存されている可能性が高い
- 医師本人にお願いしないといけないと思う → 実際は病院の窓口で依頼できる
- 代理人請求はできないと思う → 民間病院では任意代理人(社労士・家族)による請求も可能
- 費用が高く感じて諦める → 数千円~数万円かかる場合もあるが、障害年金につながる大切な投資
まとめ
障害年金の請求では、カルテが申請の成否を左右する重要な証拠資料となることがあります。
保存期間や電子カルテの存在を確認し、医療機関の定めに従って開示請求を行いましょう。必要に応じて法的根拠を示しながら、粘り強く取り組むことが大切です。
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