障害年金を受給されている方が、病状の悪化などにより年金額の改定を請求する「額改定請求」。この請求を行う際に、非常に重要になるのが「同一傷病(どういつしょうびょう)」の考え方です。
「病名が違うから、別の障害年金?」と思いがちですが、実はそうではないケースがあります。ここでは、当事者の方が特に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
1. 額改定請求の基本と「よくあるパターン」
まず、額改定請求は、一度認定を受けた傷病について、症状が悪化(または改善)した際に年金額を見直してもらうための手続きです。
🩺 よくあるパターン(同一傷病と認められる例)
| 認定時の状況 | 後の状況 | 請求の種類 |
| 会社勤務中に統合失調症で3級認定 | 会社退職後、統合失調症が悪化し2級相当に | 額改定請求 |
この例は、病名(統合失調症)が同じため、同一傷病として扱われ、額改定請求ができる典型的なケースです。
2. 要注意!原因が同じなら「同一傷病」と判断されるケース
ここからが特に注意が必要なケースです。たとえ病名や障害の部位が違っていても、「傷病の原因」が同じであれば、同一傷病として扱われることがあります。
🚨 注意が必要なパターン(同一傷病と判断された例)
| 認定時の状況 | 後の状況 | 請求の種類 |
| 交通事故が原因で、肢体不自由により3級認定 | その後、同じ交通事故の影響で高次脳機能障害となり2級相当に | 額改定請求が可能 |
この例では、
- 最初の障害:肢体不自由(体の障害)
- 後の障害:高次脳機能障害(精神・神経系の障害)
と、障害の種類も、使用する診断書の種類も異なります。そのため、「別の障害」として新たに請求(新規請求)をすべきだと考えがちです。
しかし、このケースでは、**両方の障害の原因が「同一の交通事故」**であると判断されれば、「同一傷病」として扱われることになります。
つまり、「肢体不自由 3級」から「高次脳機能障害 2級」への変更は、額改定請求として認められるのです。
3. なぜ「同一傷病」と判断されると有利なの?
もし、上の例で「別の傷病(新規請求)」と判断されてしまうと、新たに初診日を証明し、保険料納付要件を満たしているかなどをすべて確認し直す必要が出てきます。
しかし、「同一傷病(額改定請求)」と判断されれば、**最初の認定で使った初診日・納付要件がそのまま適用されます。**これは、受給者にとって非常に大きなメリットになります。
📌 ポイント
肢体(身体)の障害と精神の障害で診断書が違っても、**原因が同一の出来事(交通事故など)**であれば、年金機構に「同一傷病」と判断される可能性があることを覚えておきましょう。
まとめ
額改定請求の可否は、専門的な判断が必要です。「原因が同じか」という視点を持つことで、本来できたはずの額改定請求を見逃さずに済みます。
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