アジアの都市で、日本企業の現地駐在員として働いている娘から、動揺した様子のLINEが届きました。聞けば「日本の方が(新型コロナウィルスの)感染リスクは高いかもしれないけれど、現地では日本国内のような医療は受けられないから、万一に備え、多くの会社の駐在員は今一気に日本に一時避難している」というのです。
咄嗟にわたしは、今動くべきじゃないと思いました。娘の方も、あまりにもはっきりと「帰ってくるな」といわれたので、返って不安が解消されたといいます。その一方で、今度は逆にこちらの方が不安になってきました。昨日1日で、東京都内で新たに感染が確認された人の数は、はじめて3桁を超え、うち7割が感染経路がわからないという報道が頭をよぎったからです。
新年度の新たな人の往来が始まる中、都市部の感染拡大が地方と無関係でないことは、連日の報道でお馴染みの以下の図のとおり。
そんな中、少なくとも国と東京都の対応は、情報を公開しない、きちんと検査をしない、追跡をしない、隔離をしないのないない尽くし。しかも、クルーズ船の失敗を総括することもせず、専門家会議のメンバーは今もそのまんまという状況ですから懲りない対応というほかありません。
そこへ、海外に暮らす日本人が、場合によっては外国籍の配偶者や子女を連れて一気に帰国したらどうなるでしょう。クルーズ船に乗り込んだ神戸大の岩田健太郎教授の言葉をお借りするならば 「(船内は)カオス」 が「(日本全土は)カオス」になる日もそう遠くはないかもしれませんよ。