とうとう日本でも、コロナ絡みのDVによる死者が出たと聞いて心を痛めています。「稼ぎが少ない」と妻に言われたという動機も、それが(新型コロナウイルス感染症の感染拡大で)今日にも緊急事態宣言が出されるという東京で起きた事件と聞けば、多くの人は変に腹落ちしてしまうのではないでしょうか。
でも、これって昨日も書いた「犯人捜し」とどこか共通している気がしてなりません。つまり、怒りの矛先を向ける先が違うと思うのです。わたしたちは、自分以外の人間をコントロールすることはできなくても、唯一、自分のことだけは、いついかなるときも基本的には制御可能なはず。
仮にこの夫婦の口論がはじまったあとに、加害者である夫の勤め先の上司から電話がかかってきたとしたらどうでしょう。夫は、上司に向かって怒りにまかせた暴言を浴びせかけるでしょうか。それが、電話ではなく突然の訪問だったら?
多くの場合、怒りの感情は出し入れ可能で、わたしたちは暴力を選ばないことは可能なんだと思います。がんばって働いても「 稼ぎが少ない」 理由は、これまでの誤った選択の結果で、コロナ騒動を契機に正しい選択ができるようになれば「禍転じて福となす」ではありませんか。強い者には忖度し、怒りのはけ口を弱い者に向け続けてきた日本人が、明るい未来に向かって変われるかどうか、その選択が今問われているんだと思います。