去年、亡くなった夫の父の相続がらみで次男の嫁であるわたしに、思いもよらぬ嫁役割がのしかかりました。もちろん、わたしは部外者で、相続問題に巻き込まれたくはありません。しかし、当然のように嫁役割を期待されては、周囲と自分との板挟みだったり、期待に反発する罪悪感だったりと、ひとしきり苦しむこととなったのです。
普段は自由に生きているようでも、冠婚葬祭や相続という特別なイベントに直面すると、そうした現実が顕在化するものですね。家督相続の習わしそのものを否定するつもりはありませんが、それは、紛れもなく封建制の産物で女性蔑視ともつながりやすいです。ただ、このことは、何も個人のレベルに限ったことではありません。佐高信さんのお話でそれがよくわかりました。
今の政権を見渡すと、安倍、麻生、小泉といずれも世襲議員で「世襲」は、家督相続同様、封建制そのもの。この場合、何の世襲かといえば利権の世襲です。国会中継を見ていても安倍さんの、女性に対するコンプレックスの根深さがうかがわれますが、それは地方の議会も事情は同じ。今、コロナ危機という国難を前にした著しい行政の機能不全を見るにつけ、佐高さんの言う「世襲制、女性蔑視」という時代錯誤が足かせであることは、どうやら間違いなさそうです。