海外で働いている娘より「特定警戒都道府県」で働いている娘の方が、むしろ心配で、よほど自重しているつもりでも月に一度くらいは、大丈夫?と声をかけていたのです。いや、もしかしたら、大丈夫?だけじゃなく、あれが危ない、これが危ないと言っていたかもしれません。
するとこんな返信が帰ってきました。「どんな事態が起こっても必要な情報は自分で集めるから、そろそろ子離れしてほしい」と。老婆心が歓迎されないことは重々承知のうえですが、思えば、小学校を卒業するかしないかの頃から、この子にはこう言われ続けてきた気がします。
漫画家の西原理恵子さんのいう「卒母」とは、母と子の関係を絶つわけではなく、自立した子どもへの干渉はせず、きっと母が一個の人間としての「第二の人生」を送るという意味なのでしょう。子どもたちが自分の意思で助けを求めてこない限りは、コロナごもりの今、ひとつ私も、卒母をめざしてみようかなと思う今日この頃です。