わたしが勝手に「ロールモデル」にしているO先生は、御年90歳。誠に心もとないことではありますが、わたしの目標は、最期まで自分で考え、自分で判断し、自力でお手洗いへ行って、自宅で人生を終えること。そのロールモデルがO先生というわけです。10年前にお連れ合いを亡くされて以来一人暮らし。90歳の今でも颯爽と自転車に乗っては講演会に出かけたり、趣味のフラダンスを楽しんだりで、コロナの外出自粛期間は、読書三昧だったそう。
老いてなお、と書きかけて「老いる」という言葉を使うのがはばかられるほどですが、こんな未来を現実のものとするためには、いったい何が必要なのでしょうか。コロナを経た「新しい社会」は、誰もがO先生のように高齢期を迎えてなお人生を謳歌できる社会であってほしいと、わたしはまじめにそう思っていて、そのためには、せめて、自分の頭で考えようよといいたいのです。
というのも、都知事選挙目前の小池百合子さんの支持率は、コロナ対応が評価されたとかで急上昇。東京都内の有権者の7割近い人が支持を表明していると聞いたからです。しかも、支持者の中には「学歴なんてウソでも何でもいいんだ」という人まで現れたとか。「学歴なんて関係ない」とそこだけ聞けば「そうですね」という人は多いでしょうが、「ウソでも何でも」となると、話は別。「もしもし、あなた、自分や大切な人の未来をかけた白紙委任状を、そんな女帝に渡すのですか」と聞いてみたいものです。