わたしのところでは、いわゆる「助成金申請」を敢えてやらないことにしています。なんで?と聞かれても困るのですが、役所時代に助成金や補助金申請に振り回され本末転倒してしまう人たちを、たくさんみてきたせいかもしれません。今回コロナ関連の給付金や助成金も矛盾点が多かったり手続きが煩雑すぎるなどの声があがっていますが、社会全体がどんどん複雑になって、しんどい人にほど恩恵が行きわたらない構造になっている気がします。
実は、最近、インターネットのプロバイダ契約に伴ってキャッシュバックの申請をしました。ところが、それがややこしいのなんのって。しかも、一定の時間が経過した後、あらかじめ定められた期間内に所定の手続きを行わなければならず、少しでも間違えれば吹き飛んでしまうとのこと。契約時には親切だった代理店も、キャッシュバック申請時には何も教えてはくれません。ある程度、インターネットに精通していないと話にならないかもしれないと思いました。
キャッシュバックという「にんじん」に釣られて契約するお客さんのうち、いったい何人が実際にそれを手に入れることができるのか。代理店側は、お客さんがうっかり忘れてくれるのを前もって見込んでいるのでは、と思うほどです。今回、コロナは対面営業を難しくさせましたが、こんな時代だからこそ、個人の商店での顔の見える関係を大切にしたいもの。企業のコールセンターは廃止の方向で推移していて、わたしたちがAI相手に交渉しなければならない時代は、もう、そこまで来ているのですから。