「東京都民、公約をひとつも実現しなかった『女帝』を選ぶファインプレー」。キャッチーな見出しにつられて読んだ、文春オンラインの記事にムカついています。わたしが反応してしまったのは以下の部分です。「 小池百合子さんが勝った理由は単純に『コロナウイルスが流行して、メディアで頑張ってそうな雰囲気で目立ったから』と『対抗候補にろくなのがいなくて、支持が集まらなかったから』に他なりません 」。
前半はそのとおりですが、看過できないのは後半部分。どういうことだろうと思って読み返してみると「ろくなのがいなくて」の根拠は、都政改革らしく、例のNHKが行った「都民1万人アンケート」が指し示すとおり大方の都民は現状に満足していて誰も改革してほしいなんて思っていないのに、とくに主要3候補といわれるうちの小池さん以外は、宇都宮健児さんも山本太郎さんも改革の旗を大きく掲げていて、余計なお世話ってことなんだろうなと思いました。
あなたなら、このメッセージをどう受け止めますか。現職の地位を利用し都のお金を使ってテレビに出まくる一方、論争を回避し続け、マスコミの忖度なのか毎回行われるテレビ討論会は1度も行われず、これが「言論統制」「情報統制」でなくてなんでしょう。そんな小池百合子さんと、3,661,371都民の利害がまんまと一致した結果です。「情報統制」といえば、意図的な情報統制ではないにしても「最も欲しいものは“正しい情報”~九州豪雨の被災地から」というニッポン放送ニュースオンラインの見出しが気がかりです。
今回の九州豪雨の被災地では、水や食料は足りていて、ほしいのは情報だといいます。大気の状態が不安定で被災地域が混乱しているのはわかるとしても、毎年必ず、この時期に列島のどこかが被災するとわかっているのに、また今回豪雨に関していえば降り始めから既に1週間が経過したというのに、いまだに被災した人に情報が届かないなんて。「コロナ」にしろ、「豪雨」にしろ、「地震」にしろ、「原発」にしろ、これは紛れもなく国の危機管理意識の乏しさの現れ。国の偉い人も、366万という都民の皆さんも、首都直下地震が来るまでは自分事にならないのでしょうかね。