「女帝 小池百合子」の本は買いませんでしたが、(あの森友事件の公文書改ざんで自死に追い込まれた赤木俊夫さんの妻)赤木雅子さんと、(森友事件がきっかけでNHKを退いたジャーナリスト)相澤冬樹さんとの共著「私は真実が知りたい」は、今月15日の裁判が始まった日に、カンパだと思って買ってきました。まだ、3分の1くらいしか読めていませんが「 組織の論理」の理不尽な犠牲という意味で、決して他人事とは思えません。
というのも、わたし自身、地方の役所に勤務していた際にうつ病を患った経験があるからです。長きにわたった幕藩体制の遺産か、この国の組織という組織には、閉鎖的な旧来型の「企業共同体」的性格がいまだに受け継がれている気がしてなりません。ましてや、財務省には、鉄の結束があるといわれてきたそうですから、そこにはキャリアとノンキャリアの力の差など様々な要素が作用したのでしょう。中でも醜いのは、個人を抑圧した集団の側が、一斉に口をつぐんでいることです。
それは、去年から繰り返されてきた「桜を見る会」の追及の不毛な応酬とも重なって見えます。ただ、そんな中にも心ある人がいて、法廷で雅子さんは「裁判になれば、本当のことを話しますと伝えてきた職員もいた」と明かしていますから、この間、人知れず苦しんできた方かもしれません。また、相澤記者が森友問題を追及して辞めることになったNHKが、今回この件をクローズアップ現代+で放送して頑張っていることも評価できます。
いずれにしても、この問題は、赤木さん個人の問題では済ませられないと思います。被告である国の代表者は、森雅子法務大臣で原告、赤木雅子さんとの雅子対決だとか。被告の「雅子」は、あくまでも請求棄却を求めて争う構えです。NHKの言葉を借りれば「 国民がこの国の行く末を委ねている、その場所で一体何があったのか。私たち国民もある意味、当事者です」。自死で夫を亡くした妻が、その経緯を知りたいという当然の願いを叶えるためにも、原告雅子さんに対する力の限りの援護射撃がいま求められています。