「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」とは、先の大戦における沖縄戦の終結を間際に控えた1945年6月6日に、千葉県出身の大田実海軍中将が、ときの海軍次官宛てに送った電報の一部です。沖縄県民は(本土決戦の防波堤となって)このように戦い抜きました。県民に対し、後世には、特別のご配慮を頂きたくお願いいたします。そう言い残し、大田中将は、まもなく旧海軍壕司令官室で自決しました。
かつて、沖縄で、この旧海軍壕 を訪れて以来わたしは、米兵による犯罪や辺野古の埋め立てなど、ことあるごとに憤まんやるかたない思いを募らせてきました。沖縄県では昨日から県独自の緊急事態宣言が発出されています。沖縄県の人口は県全体で、145.7万人。うち約22%は那覇市に集中していますが、その那覇市では、条件のいい場所はみんな米軍が占有しているため、残った場所に人が集まって東京都の人口密度より高いのだとか。加えて米軍が新型 ウィルス を媒介するのですからたまったものではありません。
今回の新型ウィルスの流行は、肌の色をはじめ、この星に暮らす誰もがあらゆる違いに関わらず、同じ舟に乗って漂っているという事実を教えてくれました。たとえば、一本の虫歯を放置したために、やがては口腔崩壊を引き起こし、歯周病菌が血管を塞いで命取りになることがあるように、たとえば、沖縄だけに押し付けてきた重い、重い負担をこれ以上、そのままにし続けることは、東京でなくても、大阪でなくても、沖縄から日本が滅びることになるんじゃないんでしょうか。