新型コロナの流行初期に、「素人は黙ってろ」ということがいわれました。よく知りもしないことを、つべこべ言わず、黙って専門家に任せておけというわけです。それと同じで、わたしは、ネットゲームのことをほとんど知りません。知らないし、やったこともないため、歩いてすぐの県庁で、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例についての議論が始まり、その後、可決、成立、施行されてもなかなか関心が向かなかったのです。
今朝は「よく知りもしないことを、つべこべ言って」恐縮ですが、この度、母親とともに国家賠償請求訴訟を起こした高松市の17歳高校生のことは、目を見張る思いで見守りたいと思っています。良いか悪いか、正しいか間違っているかはともかく、議論を巻き起こし、行動を導いたという意味で、県の側にも意義があったのではないでしょうか。一番の問題は、当事者である子どもたちの意見も聞かず、大人たちが勝手に決めてしまったことだと思います。
子どもの権利条約では第1条で「児童」を原則18歳未満のすべての者と定義しており、今回「条例」に定義する「子ども」と同義です。この条例の発しているメッセージは「17歳と11か月までは、自己決定権や意見を聴取される権利を保障できないけど、18歳になったら直ちに自分の責任と判断で候補者を選び、選挙権を行使してもらわないと困るよ」といっているようなもの。これに対して17歳の少年が、日本国憲法を掲げて堂々と「NO!」を突きつけました。それに先駆け、現役の県庁職員が実名を公表し、反対意見を表明していたのには2度びっくりで、近頃の若者はなかなかやるじゃない?と言いたい気分です。