「反対意見は未来に向かって語りかけるものです。ただ単に『私の同僚は間違っていて、私ならこうする』と言うためのものではありません。特に優れた反対意見は徐々に法廷の意見となり、次第に大多数の見解になります。これこそが反対者の希望であり、今日ではなく明日のために意見を発しているのです」 。これは、RBG(ルース・ベイダー・ギンズバーグ)元米連邦最高裁判事の言葉です。
この度の、日本の最高裁判決に、彼女だったらどんな意見を表明したでしょう。少なくとも、日本の裁判官にも、たった一人だけ、多数派の意見に抗した人がいたことはせめてもの救い。しかし「同一労働同一賃金」を巡って、非正規雇用の人たちが正規雇用の人たちと同じ仕事をしているのに、ボーナスや退職金をもらえないのは不当だと訴えた2件の裁判について、最高裁はいずれも退けました。
反対意見といえば、大阪市を廃止して4つの特別区に分割する「大阪都構想」。反対意見の第一声をあげた山本太郎さんが、一昨日、大阪府警の弾圧を受けるという事件がありました。この件について、大阪府警は「把握しておらず発表する予定もない」といっています。街頭宣伝を妨害するなら、賛成側も妨害されてしかるべき。ところがそうはなっていません。人々を委縮させるに十分な出来事が続きますが「反対意見は未来に向かって語りかけるもの」。「最高裁判決」も「都構想」も、ここで我々が沈黙する必要は全くないと思います。