先日、お話したわたしの先生。明日が、大腿骨骨折の手術日ということで必要なものを届けに行ってきました。枕元で話題にのぼったのは、かつて、先生が高校教員だった頃のことで、元来「長い物には断じて巻かれない」タイプの彼女は、在職中、ずいぶんいじめられたのだとか。
それでも「あの時、もっと乗ってあげればよかった」などといいます。「もっと乗ってあげれば」というのは、おそらく「長い物に巻き込もう」とする理屈に、もっとまともに付き合ってあげればよかったという意味で、「だから何?」で切り抜けてきたであろう先生は、解剖学者の養老孟司さんと同い年。
そういえば、その気骨のほどが伝わりやすいかもしれません。途中、病室に入ってきた若い療法士君に「どうぞ、寝たきりにだけはならないようにお願いします」とわたしがいうと、間髪入れずに先生はいいます。「本人に、そんなつもりは毛頭ない!」。親世代の元気は、少なくともわたしにとっては生きる勇気です。