奇しくも維新の功績は、市民の英知を呼び覚ましたこと。大阪市廃止の住民投票で今回、大阪市の人たちは「正しく知ろうとした」「必死で考え(自ら)選んだ」(報道ランナーSP)。反対派の先頭に立った二人の市議団団長は、「市民を2分するような議論の中で住民投票が行われた。そのことによって対立や分断やいろいろな争いが起こった」ことに対して議会として陳謝したうえで、「住民投票として決着を見なければならなかったことに責任を感じている」と述べました。
それに対して、番組のコメンテーターを務める橋下徹氏は最後まで印象操作に終始。彼は、相手の意見なんか聞いちゃいないし、自らの正しさ以外興味がないかのようです。住民投票の結果にこの国の行く末を占い、投票権を持たないながらも固唾をのんで見守った多くの人たち。 その中には大阪市の外の人たちも、おそらく大阪で生まれた外国人もいたことでしょう。だとしたら彼らは、税金や保険料は支払っているのに、生活の基盤である大阪市の存亡について、声を奪われている人たちです。
そんな人たちの存在が、橋下氏の視界に入っているのか疑わしいのは、今回「賛成」67万5829票をあげつらい、反対派に対して「反省がない」と語気を強める様子に「オマエやろ!」と感じてしまったから。今は燃え尽きたという吉村・松井チームの残りの任期も気にかかります。しばらくの間、トーンダウンが見込めるとしても、その先何が起きるかはわかりません。「 都構想関連の事務には少なくとも100億円を超える府市の公金がつぎ込まれ…(毎日新聞)」という多額の授業料と引き換えに学んだことは、日本国憲法が叫べども届かなかった「不断の努力」かもしれません。